2015年1月26日月曜日

双管演奏「江河水」

現在、生徒の一人に「江河水」を教えています。教える毎にその曲の難しさに気がつきますが、この曲の難しさの理由のひとつは、楽譜にすべてが書かれていない、ということがあるようです。細かい表現が出てくる曲なのです。

この曲は中国東北地方の民間楽曲を元にしています。15世紀頃に流行った「江水児」という遼南鼓楽の笙管楽の曲碑を、1950年代に双管の独奏曲に改編したそうです。その後、「賽馬」を作曲した黄海懐によって、二胡曲に移植されました。

では、双管とはどういう楽器なのでしょう?
探してみたら、Youtubeにありました!双管で「江河水」を演奏しています。

https://www.youtube.com/watch?v=q9IgvwuOpTo


篳篥が二本くっついたような形をしていますね。以前、篳篥を習ったことがありますが、篳篥とは音色がかなり違うように感じます。二つの音が同時に鳴っているせいなのか、ビリビリした強い音がして、少しスオナ(嗩吶)近い音色がします。

悲しいストーリーと双管の音色、両方の表情を出さないといけないので、二胡で演奏する時は圧力のあるビブラートを多用します。「ビブラートをかけてはしてはいけない」という意味の、Sを横にしたような記号が表記されている楽譜もあります。ある楽譜には、「1と5は圧力のあるビブラート、2は普通のビブラートをかけましょう。」と書いてありました。

二胡の「江河水」といえば、この方ですよね。閔恵芬先生♡
https://www.youtube.com/watch?v=a0aNYN6Yx14

閔先生の、他の人には真似できない素晴らしいところはどこでしょう?
それは音の出だしが速くて、音がしっかり鳴るところだと思います。音の頭ではっきり音を出す、これは二胡にとってはとても難しいです。私もこの音を出すのに苦労しました。爆発力のある音を出すための練習をたくさんした時期があります。

閔先生はしっかり音の頭で強い音を出せるので、「江河水」や「洪湖人民的心願」のような、力強くて緊張感のある曲に説得力が生まれるのですね。それにしても、何度聴いても素晴らしい演奏です♪





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