↑このブログに登場された陳さん一族の映像紹介を見た方から、千斤の上の2本の糸はなんですか?と質問を受けました。
私も以前からこの2本の糸については気になっていました。多分、音の高さを微調整をするための糸だろうな、、とは思っていましたが、私が現在弾いている二胡は金属軸で、微調整金具を付けていませんし、以前弾いていた二胡には金属の金具を付けていたので、糸を使って微調整した経験がありませんでした。
しかし、殆どの生徒さんは木軸の二胡を弾いていて、微調整金具を付けていますから、これは研究しなくてはいけないぞ!と思い、張韶先生が書かれた本(上巻)の72ページの説明を読んでから、千斤糸としても使っている伸びない綿糸を用意して、以前使っていた木軸の二胡に巻くことにしました。
張韶先生の本の図のように、内弦、外弦、一本ずつ糸を一周させて結びました。上が外弦。下が内弦です。糸は緩すぎず、締めすぎず。糸が移動しない程度にしましょう。予定の位置より少しだけ下の方で結んで、結んだ後に上にあげると良いかもしてません。糸を上に上げると、音が高くなって、下にすると、低くなります。とっても簡単!しかも糸をつける前と後で、音色に変化はありません。
質問をされた方に報告をしたのですが、その方はご自身の金属の微調整金具を外して、糸にしてみたそうです。そうしたら、高音域の雑音が少なくなったそうですよ。また、今まで外弦の音が演奏中に狂っていたそうですが、糸に替えたら、狂わなくなったそうです。もしかすると金属の微調整金具が少し壊れていたのかもしれませんね。金属の微調整金具を付けると、若干音が悪くなりますし、弦が削れたり、弓の毛が金具に引っかかってしまうので、問題が多いな、と思っていました。
後から陳さんの映像を見ましたが、陳さんは棹だけに巻いてから、弦と棹に2周していますね。巻く回数で音がどのように変化するのか、については今後の研究課題としま〜す!